この記事を読みました→セリフなし字幕なし前代未聞!映画『ザ・トライブ』の衝撃的内容 | Ciatr[シアター]
衝撃の映画「ザ・トライブ」ですが、この映画はセリフも字幕も一切ない前代未聞の映画です。
なぜなら、舞台が耳の聴こえない人が集まる「ろう学校」だからです。
あらすじ
ろう学校に入学したセルゲイ。耳が不自由である事以外はごく普通の青年であるセルゲイ。一見平和そうに見えた学校はそんなセルゲイにとって耐え難い地獄であった。
そのろう学校では、裏で暴力や麻薬、売春などを生業にしている組織トライブ(部族)があったのだ。新参者であるセルゲイは酷い暴力を受けるが、あるキッカケで古株の1人に認められる。
そして、セルゲイは麻薬ディーラーや売春の仲介をやり、悪の道に堕ちていく。次第に組織の中で力を持っていくセルゲイだが、リーダーの愛人アナを愛してしまう。そしてセルゲイはある決心をする。
途中退席者が続出
出演は主人公を始め、全て素人の本物の聾唖者(ろうあしゃ。耳の不自由な方)達です。あまりの衝撃的な内容にカンヌでもラスト20分の間に席を立つ人が続出したと言うほどです。
ろう学校が舞台と言う事で、苦難から仲間で乗り切る様なハートウォーム作品かと思ったら大間違いです。あまりのバイオレンスさに恐らくR-18作品になること必至と言える作品です。
しかし、それに驚くのは聾唖者(ろうあしゃ)へ対する偏見から起こるものかも知れません。ただ、通常の学校ではここまでの事は起こり得ないと考えるのは、やはりろう学校の閉鎖性や人々の無関心が引き起こすものでしょう。
喧嘩もリンチも誰も声を発しないので非常に静かで、逆にその対比が暴力を際立てています。また、観賞するほとんどの人が手話を理解していないので次の展開が全く読めません。
予告編観ても衝撃!
言葉が皆無なので、モロに人間の生々しい感情が心に入ってきます。
これずっと観てたら途中退席したくなるかも!
でも、絶対面白い映画ですねコレ!
監督の想い
「本作は恐らく催眠状態と言って良い様な潜在意識下から新しい感情を呼び起こしてくれると思う」と。また「この映画は決して声の出る俳優達で作ろうとは思わなかった」と語っています。
この作品を知って家入一真の「暗闇合コン」を思い出した。
ぼくは、この「ザ・トライブ」を知って起業家の家入一真さんが以前企画した「暗闇合コン」を思い出しました。
【暗闇合コンとは】
光が一切入らない暗闇に、互いに知らない男女4人ずつが集まり、“見えない”対話を繰り広げていきます。互いの存在が見えないことで、日常では生まれない深い会話や、普段感じることのない他人との距離感覚が生まれることでしょう。LLOVE IN THE DARKは、今や日本独特の文化ともいえるまで定着した「合コン」の形式をまとった、一種のコミュニケーション実験です。世界で展開する暗闇エンターテイメント“ダイアログ・イン・ザ・ダーク”との共同企画により、音、香り・触覚、ディープな会話、ゲーム等、モデレータがガイドする様々な仕掛けとともに進行していきます。
一切の目に見える視界を排除して、 言葉だけでコミュニケーションを取ろうという試みです。
しかも、「一期一会」を軸に据えていて、連絡先交換も一切なし。
参加者はこの会のみの一期一会コミュニケーションを楽しんで日常に帰っていくのです。
この斬新な試みは、普段は合コンに行かないような女性たちも多数参加されたそうです。
ヤバくないですか!まさにアートですよね。
しかも、なにより興味深いのは、この会には本当に目が見えない「盲目の人を一人必ず参加させていた」のです。
それを会の終わりにカミングアウトし、私たち目に見える人間が今日の暗闇合コンは非日常体験だったとしても、盲目の人たちにとっては「これが日常なのだ」ということを話し、参加者に「問い」を与えていたのです。
この発想、「ザ・トライブ」と通ずるモノがありますよね。メチャクチャいい試みだとおもいませんか?
ザ・トライブも暗闇合コンも観たモノに「潜在意識下から新しい感情を呼び起こしてくれる」ムーブメントですよね。
参加者の心に刺さるムーブメントが増えていくだろう!
ザ・トライブは映画なので、かなり参入障壁が高そうですが、暗闇合コンのような形式であれば、できることがたくさんありそうですね。
ただ、観て面白い映画や参加して楽しいイベントは世の中には、吐いて捨てるほど存在します。
ザ・トライブや暗闇合コンのように、ソレに触れたことで何か新しい感情が呼び起こされる「心に刺さる」ムーブメントがこれからドンドン増えてくるといいなとおもうし、増えてくると信じてます。
そうすれば、今の社会から、もう一歩前進できるのではないでしょうか?
にしても、ザ・トライブはマジで観たいです。
ワッショイ!