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今日はどんな本音を語ろう

オピニオン記事やライフハックを中心に様々な記事かいてます。

Today’s Real intention

Opinion and Lifehack

【谷川俊太郎 歌の本】切なく人間くささ溢れる詩に胸がざわめく

オススメ本 ライフハック

谷川俊太郎の歌の本を読了。

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あんまり詩集って読まないんですが、名言のように短くシンプルだからこそ伝わることってありますよね。
この詩集は、タイトルの通り作曲されることをはじめから意識した詩を集めています。
谷川俊太郎の通常の詩とはまた違う味わいがありますよ。
ぼくの気に入った詩を抜粋します
 

へえ そうかい

へぇ そうかい そんなもんかい
 
あかりを消して背中をむけて
 
しょっぱい涙を自分でなめて
 
そんなもんかい 哀しみなんて
 
 
へえ そうかい
 
誰でもみんな道化師なのに
 
自分ひとりがヒロインきどり
そんなもんかい 哀しみなんて
 
 
へえ そうかい
 
明日はきっといい天気だよ
 
髪をほどいて鏡をごらん
 
そんなもんかい 哀しみなんて
 

うたうだけ

 
むずかしいことばは
 
いらないの
 
かなしいときには
 
うたうだけ
 
うたうと うたうと うたうと
 
かなしみはふくれる
 
ふうせんのように
 
それがわたしのよろこび
 
なぐさめのことばは
 
いらないの
 
かなしいときには
 
うたうだけ
 
うたうと うたうと うたうと
 
かなしみはふくれる
 
ふうせんのように
 
それがわたしのよろこび
 

夕焼け

ひとりの男と出会って
 
小さな部屋を借りて
 
花を飾りカーテンを縫い
 
その窓にある日
 
燃え上がる夕焼けを見た
 
私の求めるものはやすらぎではない
 
あの雲のむこうに
 
見知らぬ明日を探すこと
 
 
ひとりの男と別れて
 
丈夫な靴を買って
 
島に渡り潮風に酔い
 
その海にある日
 
燃え上がる夕焼けを見た
 
私の求めるものはさすらいではない
 
あの空のかなたに
 
見知らぬ明日をつかむこと
 
 
ひとりの私を見つめて
 
ふるさとに背を向けて
 
あてどなく回り道して
 
その道に今日
 
燃え上がる夕焼けを見た
 
私の求めるものを私も知らない
 
ただ涙あふれて
 
この夕焼けを抱きしめる
 

なんにもしたくない

ああなんにもしたくない
 
カツ丼なんか食いたくない
 
友達なんか会いたくない
 
女となんか寝たくない
 
話したくない聞きたくない
 
考えたくない見たくない
 
コーヒーだって飲みたくない
 
笑いたくない泣きたくない
 
生きたくもない かといって
 
死にたくもない死にたくない
 
ないないづくしも言いたくない
 
ああなんにもしたくない
 
お日さまかんかん蝶々ひらひら
 
どこかで赤んぼ泣きわめく
 
今は三月それとも四月
 
それとも真夏の昼下がり
 
歌うのももうやめた!
 

ピカソ

私が死んだらさ
 
泣いておくれよね
 
かっこつけちゃいけないよ
 
おいおい泣いてよね
 
それからけろっとしちゃってさ
 
海へ泳ぎに行っとくれ
 
涙を海に溶かしておくれ
 
 
私が死んだらさ
 
飲んでおくれよね
 
気兼ねなんかいらないからさ
 
一升空けてよね
 
それからテープをかけるのさ
 
私の歌を聞いとくれ
 
みんな一緒に歌っておくれ
 
 
私が死んでもさ
 
墓は立てないで
 
香典なんかもらわない
 
けちけちためこんで
 
それからピカソを買っとくれ
 
複製だっていいからさ
 
トイレの壁に飾っておくれ
 

守らずにいられない

おまえをみつめていると
 
私は男らしさをとりもどす
 
おまえの手はひびがきれ
 
おまえのくちびるのわきには
 
小さなしわがきざまれている
 
 
おまえの心は日々の重みに
 
少しゆがんでいるかもしれない
 
けれどおまえを見つめていると
 
私はやさしさをとりもどす
 
一日の新鮮さをとりもどす
 
 
おまえをみつめていると
 
おまえを守らずにはいられない
 
あらゆる暴力から
 
あらゆる不幸をからおまえを守り
 
こんなにも女らしいおまえを
 
こんなにもゆたかなおまえを
 
 

終わりに

 
人間くささ溢れ詩に胸が打たれます。
谷川さんてかなり自分勝手な人だとおもうんですよ。
その自分勝手さが詩に滲み出てて刺さるなー。
 
人間悲しい時は悲しんで浸って、強く生きようとおもえたら強く生きる。
そんな振り幅が大事なのだなとこの詩を読むとおもえるんですよ。
 
他にもたくさんの沁みる詩があります。詩ですからコンパクトに読めるのがいいですよね。
ぜひご一読を。
 
ワッショイ! 

 

谷川俊太郎 歌の本

谷川俊太郎 歌の本